きちんと考えられた食習慣は健康的な体作りには欠かせない

私は企業向けのカウンセラーとして、身体面の健康と共に精神衛生を保つためのアドバイスを企業もしくは個々の社員にするという仕事をずっとしてきました。この仕事を通してたくさんの人と話して、どうしたら心身の健康を保てるかということを一緒に考えてきました。もちろん、人それぞれ生活レベルや生まれ育った環境、体の作りなどが違うので状況は異なりますが、やはり大抵の人に当てはまる原則のようなものは存在します。

特に忙しく毎日働いている企業戦士のような方、特に男性の独身の人は、食生活が健康に影響を与えていることが多いことが観察されます。日本人は世界的に見ても肥満度がかなり低い状況にありますが、それでも男性を中心に肥満体型の人が増えてきています。健康と食事に関する統計では、教育が低かったり所得が低かったりするとより肥満に陥りやすいという傾向が見られることが分かっています。なぜそうなるかというと、どうやら問題は炭水化物の摂取量にあるようで、所得が低いとお腹を満たすために、麺やご飯、パンなどの炭水化物の割合が高くなるとされています。そのため、意識して炭水化物の量をコントロールするということは、健康的な食生活を送る上で欠かせないポイントなのです。

もう一つ陥りがちな悪い食生活の傾向としては、アルコール摂取が多い状況が見られるということです。営業職の人などはどうしても接待や、仲間同士の付き合いでお酒を飲む機会が多くなります。お酒は「百薬の長」とも言われ、確かに健康に役立つ面もあるのですが、多くの人の飲み方は健康に悪いとしか言いようがありません。最近の研究では、アルコール摂取の量と頻度が高い人は、アルコールをほとんど飲まない人に比べて平均寿命が短くなることを証明しています。よく週に一度は「休肝日」を作るようにと勧められますが、さらに言うとできるだけ毎日のお酒の量を減らす、可能ならお酒を飲まない日の方が飲む日よりも多くするようにした方が賢明です。

こうした食生活の改善は、一朝一夕には行えません。いくら健康に悪いと分かっていても、ついつい不健康な食べ方、飲み方をしてしまうという人がほとんどです。そのため、一気に悪いところを全部直そうとするのではなく、少しずつ自分の食生活を変えていくこと。そして改善することに決めた時から体調などを記した日記をつけることを勧めています。こうすることで食生活の改善が健康に本当に役立っているんだという実感を与え、モチベーションを保てるからです。また、食習慣の改善については「生活習慣改善に役立つ100カ条」が役立ちます。食べる順番を変えてみたり、炭水化物の量をコントロールしてみたり、玄米を取り入れてみたり。まずはできることから始めてみましょう。

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